【レポート】森の中で過ごす、子どものグリーフケア

開催日:2025年12月7日(日)/会場:サンデンフォレスト(群馬県前橋市)

12月7日(日)、サンデンフォレストにて、グリーフケアを必要とするご家族を対象に、冬の自然の中で静かに心をほどく1日を開催しました。
今回参加してくれたのは、親やきょうだいを亡くした経験のある子どもたちとそのご家族。
それぞれの状況は異なりますが、「大切な人を亡くした」という共通の体験を持つ方々が、安心して過ごせるような時間と空間を届けたいと願い、開催しました。


グリーフケアとは?

“グリーフ(Grief)”とは、身近な人との死別など、大切な存在を失ったときに生まれる深い悲しみや喪失感を指します。
特に子どもたちは、感情の表現方法や言語化が難しいこともあり、周囲がその存在に気づきにくいことがあります。

今回の活動では、「グリーフと向き合う」ことよりもまず、“安心して遊べる場” “気を張らずにいられる時間” をつくることを大切にしました。


森の中で、自然とつながる時間

午前中は、森の中を歩いてリースの材料となる木の実や蔓などを探す時間。
自然に触れながら、子どもたちの表情も少しずつほぐれていきます。

子どもたちが、時間を忘れて夢中になって素材を探す姿が印象的でした。

絵本「メメンとモリ」の読み聞かせ

お昼ごはんの前に絵本の読み聞かせを行いました。
今回はヨシタ ケシンスケさんの「メメンとモリ」。

メメンとモリの会話から、生きるってどういうことだろう?ということが優しくユーモアに伝わるお話に、子どもたちも静かに耳と心を寄せてくれました。

午後はリース作り

午後は、集めた自然素材を使って、家族ごとにリース作りをしました。

「ここにこの実をつけたい」
「こっちの色が合いそう」

と、思い思いに手を動かしながら、個性豊かな作品が次々と完成していきました。
完成したリースは、きっとご家庭でも、心あたたまる思い出として飾られていることと思います。


ご家族同士のつながり

子どもたちとスタッフが森で散策している間には、ご家族同士やスタッフと語らう時間も。

似た体験を持つ者同士だからこそ話せること、受け止められる言葉がたくさんありました。


終わらない悲しみと、これからも共にあること

グリーフの悲しみは、時間が経てば「消える」ものではありません。
でも、その悲しみを“ひとりで抱え続けないこと”が、心の安らぎに繋がると私たちは信じています。

これからも、子どもたちにとっても、ご家族のみなさんにとっても「安心して過ごせる場所」を作っていけるよう活動を続けていきたいと思っております。

小学校での読み聞かせを実施しました


自分の中の“ひみつの三人”を見つけよう」

実施日:2025年12月4日(木)|場所:安中市磯部小学校


絵本をきっかけに、心の中の気持ちと出会う時間

2025年12月4日、安中市磯部小学校にて、グリーフに関する読み聞かせを行いました。

大切な人やものとの別れ、心の中にあるさみしさ、怒り、不安…。
普段は見過ごされがちな“気持ち”にそっと目を向ける時間です。

はじめに、絵本『きみのしらない秘密の三人』を読み聞かせ。
みんなのからだの中に住んでいる「ひみつの三人」が紹介されています。
そして、その三人が私たちのために何をしてくれているのかも、物語の中で描かれています。

子どもたちは真剣に耳を傾けながら、「自分の中にも“ひみつの三人”がいるかも…?」と想像をふくらませていました。

自分の“ひみつの三人”を描いてみよう

絵本のあとには、ワークの時間。
子どもたちはそれぞれの「ひみつの三人」を紙に描き、

・どんな性格?
・どんなときに出てくる?
・どんな口癖?

などを自由に表現をしてもらいました。
「怒りっぽい子」「さびしがりな子」「泣き虫な子」「優しい子」……
想像以上に豊かな感性で、自分の心の中を見つめてくれたことに、胸を打たれました。

子どもたちの中にも、小さなグリーフはある

死別に限らず、子どもたちも日常の中で、たくさんの「さよなら」や「悲しみ」を経験しています。

・ペットとの別れ
・転校した友だち
・家族の病気や変化
・失くした宝物——

「寂しさ」や「悲しさ」「怒り」などを「感じていい」と伝えられる場や、
気持ちを外に出せる場所があることが、子どもたちにも大人たちにも支えになると考えています。


大人にも問いかけたい、心の中の“ひみつの三人”

今回の授業を通して、私自身もあらためて自分の中にいる“感情たち”に耳をすませる時間をもらいました。

目には見えない気持ちに、名前をつける。

それだけで、自分の中のざわざわが少しやわらぐことがあります。

あなたの中にも、「ひみつの三人」がいるとしたら——
それは、どんな三人でしょうか?


読み聞かせのご依頼について

今回のような絵本を通じたグリーフの授業・読み聞かせ活動は、今後もご希望に応じて出張対応を行っています。
ご依頼・ご相談は【お問い合わせフォーム】よりお気軽にご連絡ください。

25.1.23 太田保健センター主催 ステップアップ講座開催しました

❚ 25.1.23 太田保健センター主催 ステップアップ講座開催しました

太田保健センターよりご依頼をいただき、「グリーフケアを身近に感じる」~グリーフに寄り添うステップアップ講座~ と題して、お話させていただきました。
昨年の基礎講座に続き、今回もステップアップ講座のご依頼をいただき、とても嬉しく思います。
当日は、太田市の保健師のみなさんをはじめ、児童相談所の職員さんや桐生大学の看護学生さんなど、多岐にわたる方々でした。
現場での悩みや課題に耳を傾けながら、少しでも活動のヒントとなるような内容を心がけました。

Read more“25.1.23 太田保健センター主催 ステップアップ講座開催しました”

24.10.11 新島学園中学校・高等学校 第3回目講座「中林洋介先生講話」 

❚ 24.10.11 新島学園中学校・高等学校 第3回目講座「中林洋介先生講話」 

2024年7月16日から新島学園中学校・高等学校のキャリア教育の一環として、全4回のグリーフケアの講座が始まりました。
学生さん38名(中1から高3までさまざまです)と、ご希望の保護者に向けて、第1回目の ‶『より良く生きる』を考える“ と題してグリーフケアの基礎的なお話から始まりました。
第3回目には、前橋赤十字病院の高度救命救急センターより中林洋介先生をお招きし、講演をいただきました。
また、当団体『ことのは』ではファシリテーターとして、普段は訪問看護をされている丹羽美礼さんに「介護・在宅医療現場での看取り」についてお話いただきました。
医療職や教育関連の職を目指す学生が多かったため、皆さん真剣に耳を傾けていました。

Read more“24.10.11 新島学園中学校・高等学校 第3回目講座「中林洋介先生講話」 ”

24.11.23 CANDLEで彩る夜~大切な方に想いを寄せる日~ 開催しました

❚ 24.11.23 CANDLEで彩る夜~大切な方に想いを寄せる日~ 開催しました

『CANDLEで彩る夜』
毎年11月23日は「グリーフを考える日」として一般社団法人記念日協会に、登録されました。

日常の中で、自分のグリーフに向き合う時間を持つのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
「グリーフを考える日」という特別な日に、大切な方への深い想いを灯りと共に紡ぐ夜――それが『CANDLEで彩る夜』です。
今年もカトリック前橋教会で開催いたしました。
前橋県庁の近くにある、とても素敵な教会です。
昨年、このCANDLEイベントを開催した際、とても温かい場だと感じました😊
今年も「ぜひ開催したい✨️」という想いで、準備を進めてまいりました。

Read more“24.11.23 CANDLEで彩る夜~大切な方に想いを寄せる日~ 開催しました”

2024.10.14 「短期預かり里親って?お話会」開催しました

❚ 2024年10月14日 「短期預かり里親って?お話会」開催しました

2024年10月14日(月) 事務局であるココトモにて開催しました。
10月は「里親月間」です。
親御さんを亡くされたり、様々な事情でご両親と一緒に暮らせないお子さんたち、広い意味でのグリーフ(悲しみや喪失感)を抱えているのではと思います。
今回は、短期間(数日~2ヶ月程度)子どもたちを一時的にサポートする「短期預かり里親」制度について知っていただくことをテーマに開催しました。
里親支援機関「さとるーと」から、里親支援専門相談員の河村 貴之さん、海野 舞さんをお招きし、制度の仕組みや役割について詳しくお話しいただきました。

Read more“2024.10.14 「短期預かり里親って?お話会」開催しました”

2024.5.22 オープンデイ「3色パステルアート」開催しました

❚ 2024年5月22日 オープンデイ「3色パステルアート」開催しました

2024年5月22日(水)、流産・死産を経験された方を対象に開催いたしました。
今回は高崎の地域のコミュニケーションリビング “Renga” にて、「3色パステルアート」を行いました。

Read more“2024.5.22 オープンデイ「3色パステルアート」開催しました”

24.6. 22 「坊主ナイト」~お坊さんと話そう~梅雨 開催記録

❚ ことのはダイアログ「坊主ナイト」~お坊さんと話そう~梅雨 

「坊主ナイト」ってなに?
お坊さんと一緒にトークテーマに基づいて、おひとりおひとりのお話を大切に、批判することなく対話する場です!
【グリーフとは、グリーフケアとは】ということも、お話します。


✿6月のテーマは「雨」です。
雨の音を感じながら、心静かに対話を楽しむひととき。
雨――私たちの日常にさりげなく存在しながら、時に心を揺さぶる自然現象。その一滴は、私たちの感情や思考をどのように揺さぶるのでしょうか?
「雨ニモマケズ」「小雨が大河を作る」などなど、日本にもたくさんの雨にまつわる詩や言葉があります。
お坊さんとみなさんと一緒にお話ししました。

Read more“24.6. 22 「坊主ナイト」~お坊さんと話そう~梅雨 開催記録”

24.5. 11 坊主BAR~精進料理を楽しむ夜~開催記録

❚ 「坊主BAR」~精進料理を楽しむ夜~開催しました

「坊主BAR」ってなに?
お坊さんと一緒にトークテーマに基づいて、おひとりおひとりのお話を大切に、批判することなく対話する場です。
今回は3回目となる坊主BAR、満席での開催。
「近くで開催してほしい」とのお声もあり、出張坊主BARとして、前橋にて開催しました。
ご参加のみなさん、5名のお坊さん、ありがとうございました。

Read more“24.5. 11 坊主BAR~精進料理を楽しむ夜~開催記録”